動画時代と言われる現代、写真とどう向き合うのか?

スマホが一人ひとりに行き渡り、気軽に誰もが写真を撮るようになった今。何気ない日常生活の一部を即SNSへアップロード。個人の生活色がその人が載せる写真から想像できる、なんとも不思議な現代。SNSという言葉も多くの人が当たり前のように日常生活へ取り入れている。写真を撮る、という行為はもはや個人の日常生活を記録する媒体へと変化しているよう。

テクノロジーの進化とともに、写真という瞬間を切り取る媒体から、動画という瞬間をまとめた媒体へと移り変わる2020年代。人々は写真よりも動画を撮ることに熱中し、今度は動画を閲覧することによって、それぞれ個人の生活色を観察するようになる。写真を撮るという行為はオワコンなのだろうか?デジタルカメラはスマホに圧倒される未来が待ち受けているのであろうか?情報を伝える、という観点からみると動画は写真よりも秀でている。

それでも私はデジタルカメラで写真を撮ることにこだわる。動画時代と言われる現在、今後写真とどう向き合っていくのかは私にとって一つのテーマである。誰もが動画を投稿する中で、敢えて写真というものの美学を追求していく価値はあるのか?写真という媒体はこれからも社会の中で求められるものなのだろうか?そのようなことを考えてみた!

私のカメラ履歴は他の人と比べても大したことない。2004年頃、初めてミノルタのデジカメを購入。フィルムが要らない、デジタルなので、メモリー容量が許す限り何枚でも撮影可能。コンパクトでポケットに入るということで、何処へ出かけるにも持ち歩いていた。写真のなんたるかも、よく理解していないし、撮った写真を投稿するプラットフォームも出揃っていない。

そのような感じでスタートした私のデジカメという趣味は、時代と共に成長していった。少しお金をかけてキャノンのコンデジを買い、それからパナソニックのマイクロフォーサーズを手にし、現在に至る。次に購入すると決めているのはキャノンカメラとレンズ1本。これだけで動画時代が不動となる世の中でも、私は写真を撮り続けようと決めている。

では私の写真に対するアプローチはどのようなものなのだろうか?カメラマン、報道関係のようなニュースを追う気持ちは全くない。フォトグラファーはどうであろう?美しいものは好きだが、広告メディアに挑戦したいとも思わない。私はわがままで、自分が撮りたいものを撮る、自分が美しいと感じたものを撮る、例えそれが自分以外の誰からも求められていなくても。ここにこだわりたいし、この気持ちがあればこそ、趣味として長続きすると考える。

そう!私の写真へのアプローチは写真家である。自然が大好きなので風景写真家でも良いし、街中を歩くのが好きなのでポップアート的なスナップ写真を撮るのも好きで、このスタイルが私に一番似合っていると思う。誰もが共有している世界観に自分の感性だけが反応する瞬間。一瞬を如何にして自分の世界として表現するのか。その瞬間を写真として残していけたら、アートっぽく仕上げて、雰囲気のある写真として残せていけたら、私は満足である。

Lightroomで自分の世界観をアートとして表現し、Photoshopで幻想を創り出す。写真という一枚の媒体から人々が感じ得るものは、その人が歩んできた人生とリンクして反応する。何故、このウェブサイトのサブテーマが「Imagine Beyond The Scenes」なのか?私としてもその一枚の写真を通して、観る人のアルファー波にアピールしたいと考えている。そのシーンの向こうの世界、空想の世界を想像してしまうような写真を提供したいという気持ち。

だから私の写真は私が美しいと感じた瞬間の表現で有り、このことだけにこだわっていきたい。スマホで撮影するのも有りだが、私はミラーレス一眼で撮れる世界と向き合い、自分の好きなレンジのレンズで撮る世界に没頭したい。そのような生活空間を愛おしく思うし、これからも大切にしたい、私の大切な時間である。写真とどう向き合うのか?私の答えはシンプルで、自分の好きなものを撮り続ける、面倒であってもね!

Kazuhro Ohashi 2022/09/18

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